絶好の強風下のセーリング

 今日の天気予報では7メータの南の風だった。

 昨晩からやや喉に違和感が出た。風邪の前兆だ。久々である。
 今朝起きても、やはり喉に違和感を感じた。
それで、セーリングするかどうか迷った。
けれども、今年初めてのチャンスである。いや、アルバトロスクラブで初めてのチャンスである。
もう三年間も待っていた。強風下のセーリングにトライできるチャンスだ。

 アルバトロスクラブの面々は腕をあげて多少の強風でもヨットにトライするようになったし、
レーザーのラジアルリグや4.7リグも個人で持っているので7メータほどの風だと問題ない。
 
 喉の違和感は気になったがともかく手賀沼に行ってセーリングすることにした。
問題を感じた時点で中止すればよいのだ。

 強風なので、いつものシーホッパーではなくレーザーのスタンダードに乗艇した。
艤装をすることにさほどの抵抗はなかった。
《艤装が出来ればその風でセーリングもできる》
という説もある。
 橋を渡って北柏に向かった。セーリングをやりだすと夢中になり喉のことは気にならなかった。
クラブにあった、気に入りの7ミリのメインシートが見当たらないので6ミリのメインシートだったけれども
指に問題はなかった。

 昨年から尾を引いていた指のトラブルはどうやら完治したようだ。

 北柏に行く途中で一度沈した。やはり、艇が風に対して切りあがりヒールして沈したのだ。
一瞬の油断だ。

 手賀沼の風は一段と変化して厳しい。強風でも安定してくれていれば
かなりの強風でも対処可能だが、一瞬にして方向を変え強さを変えると一瞬の気のゆるみで沈してしまう。

 沈してからは、ある程度は風を逃がしながらのセーリングに切りかえた。帆の四分の一程度に裏風が入るような状態でセーリングした。
それでもスピードでた。シャワーを浴びる程だ、一時間足らずで桟橋に帰着した。

 手賀大橋を渡る橋の下では風は無風に近かったがしばらく進むと、突然艇がプレーニングを始めて爆走した。
強風でヒールして二回目の沈をした。
マストの先端が水底のヘドロにつかまり、やや苦戦したが、水に落ちるようなこともなく何とか沈起こしをやった。
まだ、十一時だったけれども、無理をしないために昼食休憩にした。

 レーザー艇が風で煽られてひっくりかえったりするし、いつものようにブームを帆から外すと
帆が強風でバンバンと音を立てる。帆が傷むのではないかと心配した。
帆を桟橋側に倒して艇を半沈状態にして昼の休憩に入った。

  昼食は、野外ガスバーナーとステンレス製の鍋で、持って行ったカレーを
温めて食べた。旨かった。続いてコーヒーを沸かして飲みながら他艇のセーリングを見ていた。

 ほとんどの参加艇が東の端のフィッシュセンターに向かって桟橋前から姿を消した。


 横倒しの我が艇を起こして、艤装をチェックしてセーリングを開始した。
午前中の沈の経験から、
《艇をよりフラットにしてそのフラット状態を保ちながらセールする》
ことにした。ある程度艇をヒールさせているとブローに煽られた時にはより沈をしやすくなる。
風は一段と強まり、水しぶきが顔にしばしば飛んでくるようになった。
プレーニングだ。艇をフラットにするのは
《艇が切りあがりそうになると、シートを緩めたり、ラダーをしゃくったりして対応する》
結局、東西に延びる手賀沼で南の風だったので、ほとんどをアビームでセール出来た。

 この状態であれば、艇をフラットにすると云うテクニックさえ駆使できれば
強風下のセールが出来ることが分かった。

 フィッシュセンターからの帰りに三回目の沈をした。また、集中力が落ちてきたようだ。

 それで、ふたたび、風を逃がしながらのセーリングに切りかえて桟橋に帰着した。

 強風で桟橋に上手く止めることが出来ないで桟橋沿いに流されたが、そばに係留していた
救助艇につかまり何とか桟橋に引き上げることが出来た。

 午後の二時だった。
いつもなら、さらに一時間ほどセーリングする。
が切り上げた。艤装を解いていると、両方の足の太ももの内側が攣った。
 今の私の強風の限界は指でも腕力でもなく、足の痙攣であることが分かった。

操船テクニックと云うよりは集中力と体力であることが分かった。

 今日は手賀沼でも、強風下ではある程度の波が出て、この波を切るたびに
猛烈にシャワーを浴びるのが分かった。
懐かしい感覚だった。十年以上も前に若洲でセーリングしていた時のことを思い出した。

コメント