強風下のセールのまとめー楽しむために

 強風下のセールに必要なこと

レーザーやシーホッパーなどで強風下のセールを楽しむために!

レーザー艇などは、不安定な割に強風下でのセールもこなせると言われている。
強風下でレーザー艇をプレーニングさせると
まるで、ジェットコースターに乗っているような感覚にさえなる。
ジェットコースターと違うのは自分の操作でヨットが反応することだ。
風が上がると、息の抜けない緊迫したセールになる。

スキーやサーフィンに近い感覚と云える。
が、急斜面を滑るスキーや大波下のサーフィンほど危険ではない。

ロンドンオリンピックのゴールドメダリストの強風下のセール。
風が強まると、艇がだんだんと風に切り上がってくる。
これに対抗するために乗艇位置を後方に移すが、さらに風が強まり
最後にはスターンに立ち上がってバランスをとっている。


強風下の艤装とはレースで有利な艤装とかなりの部分で重複する。
下記の二点が共通する。
1.セールの形状のコントロールが出来る
2.メインシートを引き込む時のロープと滑車の摩擦抵抗が
が少ない


【 以下は私がやっている強風対策 】

1.パワーダウン
★ 帆のふくらみを薄くすることでパワーダウンさせる。
◎ アウトホールを目いっぱい引き込む。
ブームと帆のフットがぴったりくっつくほど
アウトホールを引き込む。
◎ バングを引き込むことでブームを下げ
帆のリーチのテンションを目一杯上げることで
帆を薄くする。
単にパワーダウンできるだけではなく、バングを引くことで
艇のアンヒールとヒールの不安定さが軽減される。

◎ カニンガムをいっぱい引き込むことで、艇のヒールの大きな原因になる
帆の上部の風を逃がす。
風が強くなると艇が風上に切りあがってラダー操作がだんだんと難しくなる。
カニンガムを引き込むことで艇の切り上がりを減らすことが出来る。
★ 帆の面積を小さくすることでパワーダウンを計る。
スタンダードからラジアルへ、さらに4.7へと帆の面積を小さくする。
マストに帆を巻き付けることで帆の面積を小さくする。

2.操船-1 体力
★ 強風下ではシートを引く力が要求される。
腕力を鍛える。
★ 強風下の登りでは艇が大きくヒールするために
ハイクアウトの能力を高める必要がある。
★ 強風下ではヒールの速さなど艇の動きも早くなるので
素早い動作が必要になる。
《以上、強風下では早く力強い動作が必要になる》

3.操船ー2 テクニック
★ 風を逃がしながら操船できるテクニックを磨く
◎  メインシートを完全に緩めてセールをシバーさせておいて
徐々にシートを引き込みながら前進させることが出来なければ
強風下で乗りこなすことはむつかしい。
メインシートが良く滑って敏感に反応してくれるものが必要。
レース用に開発されたやや高価なメインシートを使用している。
ベアリング性能の優れた高価な滑車を使うと良い。(かなり高価になる)
ハーケンの摩擦抵抗の少ない滑車は強風下のセールコントロールを可能にしてくれそうだ。


◎ ヒールに耐え切れなくなって沈するようになれば
コックピットのメインシート用の滑車の片方側にしか回転しないようになっている
ロックをは外して、簡単にメインシートを送り出せるようにしてやる。

◎ 船体とブームとの間には3本のシートでつながっているが、
これを二本、一本と減らしていくと
風を逃がしやすくなり、相当の強風下でも操船は可能になる。
さらに強くなって操船不能になった時には、メインシートをブームから完全に放す。
そうすると艇は風下に流されるが、ラダー操作で風下からある程度の角度での
進行は可能になる。
◎  艇のヒールが激しくなった時(特に風上に向かっている時に多い) 
ハイクアウトでヒールを起こせなくてもラダーを一挙に引くことで
ヒールをとめることが出来る。一瞬で艇をコントロールできる。

4.風の観察
強風下では突然の風の変化で簡単に沈する。
これを避けるためには、強風下でも周囲の水面を観察する
ゆとりと冷静さを持つ。
風の変化は風上側から起こるので、風に上っている時には
水面の変化は前方を見るだけで出来るが、
風に下っている時は後方で風の変化が起きる。
後方を見ながらセールする必要がある。

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