レース初日の親睦会

 初日のレース後に親睦会が開かれた。

 ソウル側の主催だった。
大きな部屋に通された。
座敷になっていて、座卓が置かれて
椅子の無い、座布団に座るスタイルだった。
日本のお座敷とほとんど同じだ。

 470、レーザー・OPという、競技ごとに分かれて
座卓を囲んで夕食を食べながらの宴会になった。

 私は、金青年の前に座った。
英語で話しかけた。
金青年は元日本チャンピオンとはいえ、二回りほどの
年齢差のある福井コーチに負けたことが悔しくて仕方ないようだった。
「風邪気味で体調が悪い」と言っていた。

 金青年は身長が1メータ80センチ、体重が72キロと云ったところだ。
カッコイイ、青年だ。
オールコリアで3位になったこともある。と言っていた。
勿論現役である。

 聞いてみた。
「何故、スタート直後に右にコースをとったのですか?」
「右側にはリフトの風(上りレグの時により艇が風上に向かうように
振れる風)が吹いているから、そちらを選びました!」
と答えたので、
「それでも、左岸の5メータほどの高さの岸壁近くにはいい風が吹いていましたよ!」
と食い下がってみると、金青年は腕組みしながら考え込んだ。
返答は無かった。

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