スネークラン(Sカーブラン)とは

 スネークランとは風速が5メータ/秒以上に上がると実行できるようになる。
ロールタックなどが風速7メータほどにもなるとほとんど威力を発揮できなくなるのとは対照的に
かなりの風速下でも有効だ。

ステップ1.
 ランをセールしていて、上体をセール展開している側に移すことで
艇をラフさせる。体を座っている反対弦に体重をかけるのだ。
つまりやや前かがみになる。
それに引き続いてシートを引き込むことで艇をラフさせる。
艇を引き込んだ時に圧力を感じ取ることで
上手くいっていることが分かる。
艇はヒールしながらラフする。

ステップ2.
 ある程度ラフして艇が充分傾いたところで
体重を艇の外側にかけてヒールを戻し艇をアンヒールさせる。(ローリング)
アンヒールさせることで艇をベアさせる。
続いてメインシートを放して艇をさらにベアさせる。

(艇を腰かけている反対弦の方向に倒すことをヒールと呼び、自分が座っている側に艇を倒すことをアンヒールと言っている)

ステップ1とステップ2を繰り返す。
蛇行しながらランするのでスネーキングともSカーブランニングとも呼ばれる。


★ この操船方法のメリットはメインシートを引き込むことで艇を加速させ、
ヒールした艇を起こす(ローリング)ことで艇を加速させている。

 ローリングは基本的にレースでは反則だが、進行方向を変える目的でやることは認められている。従ってSカーブを描く目的であるのでルール違反ではない。
また、メインシートを引き込むことで艇をラフさせるのはヨットでは通常行われていることであり、そのことで帆を煽るパンピングとはみなされない。
結果スネーキングはルール違反にはならない。
ただし、メインシートをしゃくるように引き込み帆のリーチが暴れるようであればパンピングをみなされ二回転の罰則が科される。

2012ロンドンオリンピックの女子のレーザラジアル級の最終レースのことだ。
トップをセールしていた中国人の選手が最初の下りレグでパンピングの反則を取られて二回転の罰則をかけられた。それでも、この選手はシートの引き込みをやや加減しながらレースを続けてこのレースを制し、トータルでも金メダルを獲得した。

参照動画:
YouTubeに入り、(ロンドンオリンピック ヨット レーザー 女子)と打ち込めば見ることができる。
問題の箇所は18分経過したころからが問題。セールのリーチにパンピングによるしゃくりが認められる。
19分経過した辺りで反則の笛を吹かれている。



下記動画はフィン級の2012のレースだが
レーザの場合よりも露骨なスネーキングだ。
分かりやすい。
スネークランとはまさしくローリングとパンピングの
組み合わせなのが良く分かる。(17分20秒経過後を確認してください)



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