冬季練習開始

　冬季になると若洲のヨット教室は
閉じてしまう。
　それで、一昨年度は、クルーザーに乗った。
ネットのクルー募集に応じたのだ。
東京湾マリーナに行って
クルーザーに乗せてもらった。
冬場はほかの乗り手がいなくなるとのことでオーナーと
二人きりだった。
　26フィートの〈フェアレディー〉と云う名の
やや小型の艇だった。
　希望を伝えると艇の扱いのほとんどすべてを教えてくれた。
帆の上げ下げ・船外機の取り扱い・港内での艇の取り回し・
帆走・機走などほとんど一人でやらせてもらった。
　おまけに、時化の海で舵を取らせてもらった。
クローズホールで波に乗り上げては落とすと云う
スリル満点の波乗りのかじ取りまで体験させてもらえた。
年若いやる気満々のオーナーが
鍛えてくれたのだ。

　昨年度は横浜ベイサイドマリーナでクルーザーに
乗せてもらった。
　こちらはオーナーと数名のクルーと一緒だった。
　スポーツカーを乗り回すオーナーのやることは
優雅で、ほとんど毎回、セーリング半分、宴会半分
と云った状況だった。
　横浜ベイサイドマリーナは大変美しい優雅なハーバーで
そこにいるだけでも、気分が良かった。

　それでも、船室の無い小型のヨットで風や波を直接相手に
セーリングすることの方に魅力を感じていた。
やりたいことが、航海の旅に出ることではなく、
冒険の旅に出ることでもないことがぼんやりとではあるが
分かって来た。

　日韓対抗戦に出場するためにドライスーツも手に入れた。
ジョギングも続けていてある程度体力にも自信が出来ていた。
　セーリング連盟の中級資格も取得して、そこそこセーリングに
自信もできつつあった。
　それで、夢の島ヨットクラブで実施していた冬季練習に参加した。

　冬季練習のリーダーは山本コーチだった。
気持ちよく迎え入れてくれた。
　初日には艇の整備を行った。
　レスキュー艇一艇と１～３艇のスループ艇とレーザー一定などと言う
その日の参加人員に見合った艇を出艇させて
　交代でレスキュー艇に乗艇したり、レーザー艇に乗艇したりした。
レーザー艇の艤装を担当した。

　冬場の風は重くパワフルだった。
少々の白波が立つ状況でもレーザー艇に乗艇させてもらえた。
　冬場の重い風が変化する時
その変化は非常にとらえやすかった。
　セーリングでバングによって艇速が大きく変化するのを体感した。
重たい風は感覚的に分かりやすく
　風の変化に合わせて艇の進行を変えるなどの
操船が身に着いた。